シュガー × シュガー
アイスもすっかり食べ終え、
先生もおにぎりとコーヒーを平らげて
車を走らせた。
実は、おにぎりは半分ほどあたしにくれた。
だいすきなすじこだった。
先生もすじこ好きみたい!
…じゃなくて、これはもしかして
間接キスなのでは!?
でも断るのも悪いし…
むしろかなりラッキーだけど
緊張して半分食べるのに時間がかかった。
車が動き出して数分間、
会話がなかったけど
その空間は幸せで
ほんとに特別なものだった。
しばらくして
思い出したように先生が言った。
「そういえばさぁ、俺がいつでも話聞くって言ったの覚えてる?」
突然のことに驚いて
無理矢理おどけてみせた。
「覚えてますよ♪だってそれ言ったの今日じゃないですか(笑)」
「だよな(笑)…だからさぁ、なんつーか。つらいことあったなら言いなよ。いや別に無理に俺に言えってわけじゃねーぞ?家族でも友達でも…要するに、溜め込むのが1番悪い!」
「はい…」
先生は指であたしのおでこを弾いた。
優しいデコピン。
触れられた一点から
先生の優しさが、あったかさが
全部伝わる。
二回も泣きたくないと思い
あたしは窓の外を見た。
そして
「怖いです」
と、ポツリと言った。