シュガー × シュガー
おそるおそる目を開ける。
ここ、家……じゃない。
見れば、公園の駐車場だった。
「言ってごらん?全部」
さっきの呟きは
先生には聞こえていたんだ。
優しい目であたしを見ている。
カチャッ
先生はあたしのシートベルトを外してくれた。
そしてまた頭を撫でる。
唇を噛んでも、窓の外を見ても
今度はどうしても涙を止めることはできなかった。
「怖いんです。全部見られてるみたいで」
「…どういうこと?」
先生の深刻そうな目。
中川からのメールのことを話した。
「明日、教習だけど…行くのが怖い。会ったらどうしよう」
言えば言うほど、涙があふれた。
先生はずっと撫でてくれて
あたしに優しく声をかけてくれた。
そのほとんどが頭に入らないくらい
あたしはすべて吐き出すように
泣きじゃくった。
「明日、怖がらないでおいでね。俺が何とかする。迎えも、行けたら俺が行くから…」
頷くことしかできなかった。