シュガー × シュガー
教習は休みたくない。
中川に会う可能性があるのは本当に怖いけど…それ以前に、休んだら先生にも会えない。
「…ちゃんと行きます」
自分の決意を声に出した。
先生はまた、頭を撫でてくれた。
すごく安心できる。
「あっ、そうだ!」
何かを思い出したように
先生がダッシュボードから
メモ帳をとって、何かを書いた。
それをびりっと切り…
「はい、これ」
あたしに手渡す。
あたしはメモをみた。
「え…?先生の?」
なんと書かれていたのは
西野先生のアドレスと携帯番号…。
「これでいつでもお悩み相談できるな!」
「…でも」
先生は毎日忙しい。
中川にアドレスを貰った時とは
比べものにならないくらい嬉しいけど
連絡するのは勇気がいる。
「もちろん、平岡さんがしたくないならしなくていいんだよ?」
先生が困るあたしを見て言った。
困ってない。むしろ嬉しい。
当たり前だけど、あたしから連絡しなければ先生からは来ない。
「でも先生忙しいから…」
「そんなこと気にしてたの!?俺から渡したんだからいーんだって!」
…きゅん。
そんな笑顔見せられたら。
"好き"って言いそうになる
あたしはわざと明るく話をそらそうとした。
「やっぱり教官ってすごい!生徒一人一人にちゃんと向き合ってくれて」
先生を見ると、ちょっと困ったような顔をしている。
先生…?