シュガー × シュガー




「なんか…早く帰りたい。早く卒業したい」


一階のロビーで
ガラス張りの窓から
教習を受けている車を眺めながら
伊織がボソッと言った。


「あたしも。人多くてそれだけで疲れる」

同感だった。



ほんとにこの時は、
早く家に帰ることしか考えてなかった。





まさかこの教習所で
あたしが恋に落ちるなんて。








知る由もなかった。




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