恋する魔女
思わず彼女の名前を出すと



「正気でなんかいられるか!!気が狂いそうなんだぞ!!!」



ブライアンはイスを後ろへ倒す程勢い良く立ち上がり、感情的に叫んだ。



「だからと言って体を壊せば、彼女が帰ってきた時に悲しむだろう!」


「いっそ体を壊しちまったほうがいいんだ!!」


「な、なにぃ!?」


「体を壊せば、ジュリアは帰ってくるかもしれない!いいや、帰ってくる。ジュリアは俺を愛してる。俺が体を壊していると知ったら、飛んで帰って来るに違いない!!」



“だから俺はアル中になった方がいいんだ!!”



そう言って、ダニエルが持つ酒に再び手を伸ばす。







「いいかげんにしろ!!!」


ダニエルは叫んだ。



「ジュリアが好きになったのは、愛したのはこんな男じゃないはずだ。」



感情的になり、ダニエルは荒い息をする。



「愛するジュリアを突然失って辛いだろう、悲しいだろう、淋しいだろう。でもな、だからって帰ってきてもらうためだとか言って体を壊すなんてバカなことをしたらそれこそジュリアは帰ってこねぇよ!!!」



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