恋する魔女
それを聞いたブライアンは力なく床に落ちた。



ダニエルも大きく呼吸をした後は、静かに話しだした。



「ジュリアが愛したお前は、もっと強いはずだ。いつも頼れて包容力があって、心から自分を愛してくれる男のはずだ。」



そう言うと、ブライアンは小さく呟いた。



「違う。」


「・・・?」


「違うんだ。ダニエル。」



頭を下げ力なく喋るブライアン。


ダニエルはジッと聞いていた。



「ジュリアが1ヶ月、俺と離れると言ったのは、俺が頼りなかったからだ。俺の愛が信用できなかったからだ。」



普段のブライアンではなく、素に戻った。



「え?」


「ご両親に挨拶させてくれって言ったときも、何かを躊躇っていた。ご両親が反対する何か事情があるらしい。」


「・・・・・・・・・・・・・」


「だから俺は、何度でも説得すると言った。でも結果はコレだ。」


「コレ?」


「あぁ。・・・ジュリアは俺なんかが説得出来ないと思ったんだろう?それに、家の事情を話しても尚、自分を愛してくれると、思えなかったんだ。」



だから、ジュリアは1ヶ月離れるという、きっとご両親が出したであろう条件を飲んだんだろう。



鋭いブライアンはそこまでは自力でも想像がついた。




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