恋する魔女
「え・・・・・・・・?」



リンマは明らかに傷ついた表情になり、動揺した。



だがジュリアは少しも表情を変えることはない。



「あたしの幸せは、ブライアンと一緒になることなのよ。それ以外にあたしの幸せはあり得ないわ。」


「そ、そんな!だって・・・それ人間なんでしょ?どうして人間なんかと?!」


「あなたもママも、先入観だけで人間を判断しているわ。確かに人間にも色々な人がいるわ。でも、彼は違うわ!彼自身と接すれば、必ずわかるはずよ!!」


「ジュリア・・・・・・・」



冷血な表情から一変。



ジュリアは感情的になり、瞳には涙を浮かべた。




「どうしてそこまで・・・」



リンマは今にも泣きそうな友人に自分も泣きそうになった。



「どうして?決まってるわ・・・」



“彼を・・・愛しているから”



失いたくない、大切な人。


恋い焦がれて仕方のない人。



何百年生きてきて、これほどまで愛した男性はいなかった。



「ママがパパを愛するように、あたしもブライアンを愛しているのよ。」



ジュリアの悲痛な思いだった。



だが、ドーラもまた、ジュリアを得体の知れない下等動物には渡せないという親心があった。


ジュリアの愛はわかるが、愛だけでは一緒にはなれない。



ドーラも頭を悩ます日々だった。





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