恋する魔女
「お疲れ様です。」


「お疲れ様。」


「お疲れさま〜。」



終業時間になり、同僚たちや後輩が帰っていく中、ブライアンは黙々とパソコンに向かっていた。



家に帰ったって、何もせずただ1人でボーッとしているだけだ。



ジュリアの顔が浮かんできては悲観的な妄想をしてしまう。



初日に、絶対待っていると自分に豪語し、不安なんか何もなかった。


だが、日がたつにつれジュリアが他の男に言いよられていないか、奪われていないかなど、マイナスなことばかり考えるようになってしまったのだ。



僕はどれだけ女々しいんだ。


冷静に考えれば、ジュリアも僕が待っていることを信じて、1人でいると考えられる。


でも、もうジュリアに関しては冷静に頭が働かない。


気が狂いそうな程、心がジュリアを求めてる。


いや、身体も────────




愛する人と一つになる悦びを、ジュリアと共に味わいたい。



一緒にいる時は、一緒にいることで欲求を押さえていたが



今は離れているために喉がカラカラに乾き水を求めるように、体がジュリアを欲している。




< 110 / 217 >

この作品をシェア

pagetop