恋する魔女
ジュリアがいる間に肌を重ねなかったのには、ブライアンのちょっとした思惑があったからなのだが、今となってはそれを少しばかり後悔したのだった。



「はぁ・・・・・・・・」



仕事が一段落し、伸びをすると、自然と視線がカレンダーに向く。



この4週間で身についてしまった癖だった。



とうとう4週間目最後の日。



そう。



1ヶ月までは後残りわずかだった。



そのせいか、フッと笑みが込み上げてくる。



あと数日でジュリアをこの腕に閉じ込められる。



実は、ブライアンが今仕事に没頭しているのにはもう一つ理由があるのだ。



それは、1週間の休みだ。



ジュリアが帰ってくる12月3日から1週間の休みをとったのだ。



理由はもちろん



“ジュリアを独占し、愛したいから”



だ。




さすがに理由はもっと相応しい事を言ったが、ダニエルにはバレバレだ。



だが、休む分の仕事はきっちり既にこなしていたので、何も問題はなかった。



有給もたんまり貯まっていることだし、1週間ぐらいいいだろう。



不貞腐れたブライアンの言い方にダニエルが爆笑したのは言うまでもない。



ジュリア・・・・・



写真立てを手に取り、見つめる。



もうすぐ会えるね。


早く会いたくて会いたくて
心がつぶれそうに痛いよ。


帰ってきたら、覚悟しておいて。1週間、僕の家に監禁だからね。



写真のジュリアにキスをすると、ブライアンは再び仕事に入った。




【SIDE:ブライアン(終)】




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