恋する魔女

苦悩の終わり

「あ〜・・・ようやく1ヶ月が終わるわぁ。」



明日はとうとうブライアンに会える日。



つまり今日は、1ヶ月最後の日。



今日の0時を過ぎたら早速人間界に戻る予定だ。



ブライアン・・・やっと

会えるのね。

あなたを思って泣いた夜も

不安にかられる日々も
今日で終わり。


あなたは人間界であたしを待っていてくれてるわよね?

あなたもあたしと同じ気持ちよね?



会える喜びと、待っていてくれているかどうかわからない不安な気持ちが入り交じっている。



「それにしても、今朝からママはどこに行ったのかしら・・・?」



いつもあるドーラの姿が、今朝から見当たらない。



母であり魔女界の女王であるドーラは、確かに家にいる時間はそれほど多くはないが・・・




まさか、まだ何か企んでいるのかしら。


負けず嫌いなママの性格上、このままハッピーエンドで終わらせてくれないかも・・・




と、不吉なことを考えてしまう。




ま、それか、1ヶ月我慢して感動の再開をするあたし達を見たくなくて、どこかに行ったのかしら?



フフッ とジュリアは笑った。




だが、そんなジュリアの予想は前者で当たってしまった。



ドーラが、ブライアンを試すために、ある魔女を人間界に送り込んだのだ。



それも、ジュリアそっくりの姿に変えた魔女を・・・




< 112 / 217 >

この作品をシェア

pagetop