恋する魔女
「でもよ、ブライアン。浮かれすぎて、大事なことを忘れてやいないか?」



食事が終わり、コーヒーを飲み始めたブライアン。



「もちろん覚えているさ。なぜ突然僕の前から姿を消したのか・・・だろ?」


「あぁ、そうだ。愛し合うのも、お仕置きをするのも、それを聞いてからの方がいいんじゃないか?その方が順序も正しい。」



そう言うと、ブライアンはコーヒーを置いて笑った。



「君の口から“順序”という言葉が出てくるとは驚いたよ。」



自他共に認めるプレイボーイも今や、目を当てられぬ程に溺愛している女性がいる。



ただの一人の女性で、こんなまともな男になるなんて誰が想像しただろうか・・・



と、言えるほど昔のダニエルは順序もクソもない男だった。



だが、どうやら今はコニーとは順調らしく、このまま行けば、近いうちに付き合えるかもしれないとのことだった。



「良かったな。」


「あぁ。お前とジュリア嬢のおかげさ。感謝してるよ。」


「ジュリアに言っとくよ。」


「ベッドの中でだろ?」



ダニエルが茶化すと、ブライアンは幸せそうに笑ったのだった。




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