恋する魔女
そんな姿を見ていたジュリアの背後からは炎が燃え盛っていた。




「ママったら、本当に懲りないわねぇ!!あたしはママの言い付け通り、1ヶ月もブライアンと会うのを必死で我慢して、ようやく終わるところだったのよ!?なのに何なの?こんな卑怯な真似をして!!いくらブライアンが誠実で真面目で素敵でも、あんな格好をした、しかもあたしに激似の女だったら──(以下省略)」



ジュリアのものすごい剣幕な表情に、リンマは驚いて口をポカーンと開けて見ていた。



「は―!!それにしても、あのあたしに化けてる女。あれ、ベティね。」



ひとしきり暴れると、ジュリアは女を再び見る。



女はベティと言い、ジュリアとはあまり仲は良くなかった。



ドーラはそれを利用し、ブライアンとジュリアを引き離すつもりらしかった。



だが、早くにそれを知られてしまい、計画は既に狂っている。



早く、あの女の毒からブライアンを助けなきゃ!


だけど、ここまであたしを怒らせたことを後悔させてやるわ!!



そうでなければこの怒りは納まらない。


ジュリアの背後には燃え盛る炎の代わりにどす黒い影が出来ていた。




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