恋する魔女
せっかくの甘い時間を邪魔されジュリアは一気に不機嫌に。



ブライアンから唇を離すと、視線を彼の後ろのベティへ向けた。



「邪魔をしないでくれる?ベティ。あたしたち、1ヶ月ぶりなの。」


「・・・ベティ?」



ジュリアの言葉にブライアンは首を傾げた。



「知り合いなの。」


「知り合い?笑わせないでよ。っていうか、今回のことはアンタのママに頼まれてやったのよ。それなのに何よ!」


「え?ジュリア、どういうことか説明してくれ・・・?」



ブライアンは訳がわからなかった。



それはそうだろう。


クラブで会った女性がジュリアにそっくりで、しかも知り合いときた。



その上、話の中にはジュリアの母親まで出てきた。



一体何なんだ?



そんなブライアンを見てベティは妖艶に片方の口角をあげた。



「あら、まだ彼には何も話していないのかしら?」


「・・・・・えぇ。」


「そう。それじゃぁ今ここでバラしてあげてもいいわね。」



弱点をついたと得意げなジュリエット。


しかし、今のジュリアにとってはそんなこと痛くもかゆくもなかった。



「構わないわ。あたしと彼はこんなことじゃ、壊れないもの。」



ジュリアはブライアンの腕にギュッと抱きつく。



そうすると、つまらなさそうな表情をして“もういいわ。あたしも貴方達に構うほど暇じゃないの”



と言って、彼女は腕を振り上げ・・・・・・



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消えてしまった───────





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