恋する魔女
「とりあえず、今はママのことは気にしないで、せっかくの休みを満喫しましょう?」


「あぁ、そうだね。」



やはり気になるのか、中々テンションの上がらないブライアンに、ジュリアはどうしたものかと首をひねる。


そして考え付いたのか“あっ!”と声を上げた。



「今夜、ダニエルさんとコニーを呼んで4人でパーティーをしない?」


「え・・・ダニエルとコニーを呼んで?」



ジュリアはブライアンを楽しませるために思いついた提案だったが、ブライアンにしてみれば、せっかくの二人の時間。


ずっと会っていなかった分、ジュリアとベタベタしたいと願っていたのだ。



だが、愛する人の提案。



惚れた弱みで、断ることも容易ではない。



「どうしても?」


「・・・何か予定があるなら、ブライアンを優先するけど?」



あまり乗り気ではないブライアンに再び首をひねるジュリア。



それを見て、“あ、そういえば”と思い出したブライアン。



「ジュリア、前にエレンの件の時に僕の言うことを聞いてくれたら一つ願いを聞くと言っただろ?今日はそれを叶えよう。」



とっさに思いついたものだが、それでもいい。



とにかくこの1週間だけは、誰にも邪魔されたくない。



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