恋する魔女
「え?えぇ、そうよ。従弟のカーティスって言うの。」


「・・・・・・・・そう。」



“ふ〜ん”と、平気な様子で話すが、口を尖らせ明らかに不機嫌だ。



ジュリアが顔を覗き込めば、気付かれたくないためか顔を背ける。



そんな仕草が更にジュリアの心を“キュン”と高鳴らすとは知らずに。



「ブライア〜ン?」


「・・・・なんだよ?」


「やっぱりランチはやめて、お家に帰らない?」


「え?」



驚いたような、でもちょこっとだけ喜んだ顔をしたブライアンに、ジュリアはフフッと笑った。



「な、何で笑うんだよ。」


「んーん。ブライアンが可愛かったから♪」



そう言って背伸びをしてチュッと頬にキスをすると、ブライアンは驚いて固まってしまった。



「さ、行きましょう?私のヤキモチ王子様。」


「な・・・ジュリア〜・・・」



“バレてたの?”と、ブライアンはため息を吐いてうなだれたが、クスクス笑うジュリアをみて苦笑いして一緒に歩きだした。






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