恋する魔女
「あ!!?」



あたし何でこんなとこでこんなこと!?



コニーは驚いてダニエルの胸に手を置いて勢い良く押した。



「え、な・・・あの・・・じゃ」



そう言いながら踵を帰そうとしたが、すぐに後ろから“待て”と、両腕が伸びてきた。



「今度は絶対に逃がさない。」



恥ずかしがるコニーをよそに、ダニエルは話を続ける。



「君が勇気を持って俺に気持ちを伝えてくれたんだ。だったら俺だって伝えなきゃ不公平だろう?」



ここで変にキスのことで茶化してしまったら、コニーは二度と自分からキスなんてしてくれなくなるだろう。



案の定、コニーは抵抗を緩めた。



普段はお調子者で仕方なくとも、やはり大人の紳士。



上手くコニーを宥める。




「率直に言うよ。俺は君を愛してる。どうしようもないくらいな。だから、俺と付き合ってほしい・・・」


「ダニエル・・・・・・」





コニーは知らないうちに溢れてきた涙を拭う。



しかし、それを止められ、代わりにダニエルが拭う。



「これからは、涙を見せるのも拭うのも俺だけの特権だから。いいね?」



何でこんなにカッコイイんだよ



そう思いながらも、素直に頷いたのだった。




今日ぐらいは素直にならないと!



誰かがそう言っているようにも思えた。





【SIDE:コニー(終)】



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