恋する魔女
いつも、全身全霊で愛を伝えてくれた。


あたしが寂しい時はいつも駆け付けてくれた。


1ヶ月離れたときだってちゃんて待っていてくれた。



いつだって、ブライアンはジュリアを想っている。



そんなことは、誰に聞いたって、明確だ。



誰にだって、嫌な過去はあるもの。



ブライアンが今まで話さなかったのは、ジュリアを不安にさせないためだったのだろう。




「今のブライアンを見ていれば分かるでしょ?・・・本当は分かってるくせに。」


「お前への愛は、よく分かっているよ。でもね、人間は都合が悪くなったらすぐに本性を表す。」


「えぇ、そう言う人もいるわ。でも、あたしはブライアンを信じてるもの。今まで一緒にいて、出した結論よ。彼は大丈夫。」



そう言うと“そうかい”とため息を吐いたドーラ。



「わかってくれてありがとう。・・・ママ?」


「ん?」



ジュリアは満面の笑みで、言うと、その場から姿を消した。




「あたしを生んでくれてありがとう。あたし・・・今、とっても幸せよ。」







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