恋する魔女
ブライアンはクスッと自嘲したように笑った。



「あぁ。あの頃は本当に腐った男だったと思うよ。女の子達にも、酷いことをしてしまったと思ってる。君という大切な女性が出来てからは余計にね。」


「本当に?あたしが魔女でも大切?」


「当たり前だよ。君が何であっても、大切に思う気持ちは変わらない。じゃなかったら、君がいない間あんなに悩むもんか。」


「あんなにってどれくらい?」


「別れようって言われた時に、どうやって繋ぎ止めようかとかね。」



“君といると、心臓が保たないよ”と、頬にキスをした。



「フフッ あの頃の罰が来たんじゃないの?」


「アハハッ それなら、耐えるしかないか。」




ほらね、ママ。


ブライアンは大丈夫よ。


何たって、ママの娘のあたしが選んだ人よ?




「そうだわ、ママが許してくれたわよ!」


「本当かい?」


「えぇ。叫んだら聞こえるはずよ。何か言うことはある?」



そう言うとブライアンはジュリアの肩を抱き寄せ




「喜んで、お嬢さんを頂きます!ありがとうございます。」




と言った。




ドーラからは、何も返事はなかったがあのドーラのことだ。


意地を張っているのだろうと、ジュリアは言った。




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