恋する魔女
「バッグを盗られたって・・・あそこにあるじゃないか。」



ダニエルが指差すほうには確かに二人のバッグがある。



「まさか、追い掛けたのかい?」



ブライアンは目を丸くして訪ねる。



あー・・・そんなこと聞いたら



「そうじゃないの!追い掛けようとしたら、バッグが、そのバイク乗りの手からストンて落ちたのさ。」


「「へ〜・・・。」」



ブライアンとダニエルは同じように返事をしたが、考えていることは全く違う。



ダニエルは純粋な驚きだが、ブライアンは




「ジュリア、ちょっといいかい?」


「な、なぁに、ブライアン?」



ジュリアの手を引き、リビングから出ていった。










「さっきの話しは?」



廊下に出ると、ブライアンは腕を組んでジュリアに尋ねた。



「コニーが言った通りよ?膝が痛かったわ。」



どうにか逃げようと、考えるがもう手遅れだった。




「そうじゃない。ジュリア、魔法はダメだと言っただろう?」


「だけど、バッグが盗られそうになったのよ?しかもお気に入りの。」


「バッグくらいまた買ってあげるよ。それよりも、君が魔女だとバレたら大変だろう?」


「あんなことじゃ、バレたりしないわ!それに、バッグはあれじゃなきゃダメなのよ。同じ奴を買ったってダメなの。あれじゃなきゃ・・・」


「でもジュリア、この世界で生きるなら、魔法はダメだ。もし見つかったら、君はここにいられなくなる。世の中には君の力を利用しようとする者なんてたくさんいるんだ。もしそんな奴らに見つかったら大変だろう?」


「分かってるわ。でもとっさに使ってしまったの。」



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