恋する魔女
俯き、シュンとするジュリア。



魔法を使うのは止めようと二人で決めたが、なかなか止められない。



普段は守っているが、今日のような事があると、とっさに出てしまうのだった。


落ち込むジュリアを見て、ブライアンも眉をひそめた。



「ごめんね。僕が言いすぎたよ。」


「いいえ。約束が守れないあたしが悪いの・・・やっぱり、あたしは魔女だもの。あなたと同じ人間になりたいと思っても、しょせんは無理なのよね。」



目に涙が溢れてくる。



その涙をブライアンは拭うと、自分の胸にジュリアを抱き寄せた。


そして頭に優しく口付けをする。



「僕は心配なだけだよ。君が危険になったりしないかってね。使うなら、どこで見られているか分からないから用心して?」


「ブライアン・・・・・」


「本当に緊急の時だけだよ?それ以外は使わない。それなら守れるだろう?」


「うん。ありがとう。」



ジュリアは思い切りブライアンを抱き締めた。



そんなジュリアをブライアンも笑顔で更に強く抱き寄せた。




「君が僕と同じ人間になりたいと思ってくれるのは嬉しいよ。でも、大丈夫。どんな君でも僕にとっては同じ、ジュリアなんだから。」



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