恋する魔女

パパ登場と魔法使いブライアン

【ＳＩＤＥ：ドーラ】


その頃魔女界のある屋敷では、数ヶ月ぶりに帰ってくる主人を迎えるために慌ただしくしていた。



｢これでいいか･･･｣



そしてその主人の妻ドーラは屋敷の中を最終チェック。


ところが････



｢う〜ん、これはこっち。いやぁあっち。で、それはそっち･･･｣



またもや気に入らなくなり模様替えを始めた。



これで46回目だ。



早い時間から始めたにもかかわらず、まだ準備が整わない。



魔法によって物が飛びかう部屋。



人間にとっては動かすのが一苦労の家具たちが踊っているかように宙を舞う。



そして全員配置につくと



｢よし。これで完璧。あとは･･･そうそう、料理だ。｣



時間を見ると約束の時間を過ぎていた。



｢あら、変だねぇ。あの人が遅刻をしたことなんてなかったのに。｣



ドーラが腕を組んだその時、屋敷の電気が一斉に消え、どこからともなく声が聞こえてきた。




｢お前がいつまでも家具を動かしているから、入るに入れなかったんだ。｣


｢アナタ！｣



瞬間、屋敷の電気が再び付いた。




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