恋する魔女
一方の人間界。



季節は冬から春へ移り変わり、暖かな日差しが降り注いでいる中・・・




パタパタ、ドンッ、バタバタ・・・


こちらでも何やらキッチンで慌ただしい音が響いていた。



「えーと、これと、それと、あーこれあっちだ。」



バタバタ忙しなく動き回るジュリア。


彼女は今、愛するブライアンに差し入れを持って行こうと考え、只今料理中なのだ。



本と睨めっこをしながら20分で出来上がるはずが、すでに1時間は経過していた。




「最後にこれを置いて・・・・・・・・っ完成!!」




そしてようやく完成したモノを持ち、ジュリアは出かけていった。




─────────────・・・


パリの中でも一際ビルが多く立ち並ぶ場所に、ブライアンが働く会社も建っていた。




「ここだわ。ブライアンが働いてる場所は。」




ビルを見上げて確認をするジュリア。



一体何階にいるの?


というか、何階まであるのかしら?



「ま、いいわ。早く届けに行かなきゃ!」



軽い足取りで会社の中へ入っていき、受付に向かった。


ところが受付にたどり着く前に後ろから声をかけられた。



「あれ、ジュリアさん?」


「え?」



振り替えると、そこにはブライアンと同年代くらいの見覚えのない顔が数人。



「えーっと・・・」


「へぇ、君がブライアンの女の子?」


「え・・・どうしてそれを?」


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