恋する魔女
「パ、パパ!!」


「いやぁ、ようやく巡回が終わってな。ついこの前帰ってきたんだよ」


「アハハ、そうでしたの?ママも教えてくれないんですもの、全然わからなかったわ」



ドーラの思惑がわかり、納得しながらもこれからどうしたらいいのかと頭を働かせる。




「ドーラから聞いたが、人間の友達が出来たそうじゃないか」


「え?えぇ、そうなんですの。とっても素敵な人でね」


「そうかそうか、ママは人間を下等動物と言うが、お前は偏見なく接することが出来るとは、本当に良い娘に育ったな」


「そ、そりゃぁパパとママの子ですもの、当然だわ」




パパは昔からママが言うほど人間のことを嫌っているわけではなかったわ。


でも、結婚となると、やっぱり嫌な顔をするんでしょうね。


どうやって説明したらいいのかしら・・・・・・




悩むジュリアに気付くことなく、魔法使い界の巡回で買った各地の土産を出していくオズワルド。




「ジュリア、お前のために買ってきた土産だ。どうだ?」


「え?まぁ、とっても素敵なものばかりだわ。ありがとう、パパ」




御礼に頬にキスを落とす。




「あ、そうそう。ママはどこにいるか知ってる?パパ」


「ママか?ママならさっき日本に行ってくると言っていたぞ」


「に、日本??」


「あぁ。まったく帰ってきたときくらい家にいてもらいたいもんだ」


「それじゃぁあたしもちょっとママに会いに日本に行ってくるわね」



父の返答も聞かず、ジュリアは急いで指を鳴らした。


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