恋する魔女
あたしの決意に渋い顔をするママ。



パパのことを一番理解しているのはママだもの。



それにパパがどれくらい素晴らしい魔法使いかも知っている。



もしかしたら、あたし達はママに与えられた試練以上のものを乗り越えなくちゃならないかもしれない。



でも、それでもあたしは彼じゃないと、ブライアンじゃないと無理だわ。



心から、愛しているから。




「ジュリア、あたしはアンタの辛い顔は見たくない」


「いいだけ、あたしを苦しめた人が何を言うの?」




何でも無いように笑顔を向けるけど、ママは笑ってはくれない。



それだけ本当に心配してくれてる証拠。



でも、あたしパパになんか負けないから。



自分の伴侶くらい自分で決められる年齢よ。



パパが何を言おうと、何をしようと、あたしはこの恋を貫き通す。




「まったく、その頑固さは誰に似たんだか」


「両方でしょ?・・・・・・ブライアンの魔法解いておいてね」




それに小さく頷くママを見てから、あたしはブライアンのもとへ戻った。











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