恋する魔女
扉を開けた先には、オズワルドとドーラが立っていた。




「待っていたよ、ジュリア」


「パパ、ママ・・・・・・」


「それから、お前がブライアン·クリントンくんだな?ドーラから話は聞いている」


「はい!ご挨拶が遅くなり申し訳ありませんでした」


「フン、まぁここまで来た度胸だけは認めてやろう。だがな、ジュリアはお前にはやらん」




ちょっと!まだ本題に入らなくてもいいじゃない。


少しはブライアンの話も聞いてよ!!




「パパ、あたし、彼と結婚するわ!もう決めたことなの」


「そんなものは却下だ。わしは認めん」


「どうして?!パパは人間は嫌っていないはずでしょう?」


「好きか嫌いかの問題じゃない。お前は魔女なんだぞ。人間なんかに嫁いで暮らせるものか」


「人間と魔女だからなんて理由にならないわ。問題は二人の間に愛があるかどうかでしょう?」




あたしは真剣に伝えているのに、パパは鼻で笑う。




「そんなものは理想だ。自分とは違って老いない、いつまでも美しいジュリアを傍で見ていれば、いつか自分が惨めに思えてくる。私はブライアンくんにも言っているのだよ。自分の身の丈に合う人間の御嬢さんを選ぶべきだな」




そんな、酷いわパパ!



悲しむジュリアの隣で、ずっと黙っていたブライアンは口を開いた。




「失礼を承知で申し上げさせてもらいます」



< 209 / 217 >

この作品をシェア

pagetop