恋する魔女
昼休みに話してやるからな。そう言いダニエルは自分のデスクへ戻っていった。



何だか聞く気が失せるな。
それでも、ジュリアのためだ。色々聞き出せるチャンスだしな。



ブライアンはパソコンに向き直った。



そして約束の昼休み。二人は近くの喫茶店に入った。



席につき、メニューを注文するとダニエルは勢い良く口を開け、話し始めた。



「昨日、昼休みに外に食べに行ったときだ。何気なく窓の外を見ていると、目の前に完璧に俺好みの女が外を歩いて行ったんだ。」


「へぇ。」


「顔は童顔だな。どっちかと言ったら可愛いほうだ。服装も可愛くて。俺は思わず後をついてって話し掛けた。」



《やぁ、お嬢さん。》



ここまではいたっていつものナンパと変わりない。



「そこまでは俺もいつもみたいな出会い方だった。」

「あぁ。」


「だが、その後が違ったよ。」



肩を叩かれ振り向いた彼女は驚いたように目を見開いた。



それを見てダニエルは、ナンパされたことがないんだな?と一瞬で判断したらしいが、彼が驚いたのはこの後だ。




《ア、アンタ・・・まさか、あたしをナンパしてるの?》




< 45 / 217 >

この作品をシェア

pagetop