恋する魔女
「それではお席にご案内いたします。」



ドーラの魔法により操られたウェイターは、ブライアンが座る席のすぐ近くにドーラを案内した。




ん?



案内され、改めてブライアンを見てみると、目の前にいる先方はなんと・・・




「お、女?!」




普通に笑顔で話している二人を見てドーラは腹立たしくなってきた。



ジュリアが家で寂しいと嘆いているときに、お前は仕事とは言え女と仲良く談笑か!?

これだから下等動物は!!



だが、ドーラはしばらく二人を観察することにした。



「今回は本当にありがとう。君のおかげだよ。」


「そんなことないですよぉ。先輩は仕事が早くて本当に尊敬しますぅ♪」



話を聞いていると、どうやら先方との食事は終わり、今は後輩と今回の仕事の祝杯をあげているらしい。



「まさかぁ、予定より1週間も早く帰れるなんて思ってませんでした!」


「あぁ、確かに。・・・どうしても早く帰りたかったから、僕も今までで一番張り切ったかもしれないな。」



そう言って酒を飲み、照れ笑いするブライアンの表情を見れば、いくら人間嫌いのドーラでも、それが誰のためかは難なく想像できた。




他の人間よりは・・・まともらしいね。



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