恋する魔女
「あ、ちょっとごめんなさい。誰か来たみたいだから、待ってて。」



ジュリアは携帯電話をテーブルに置くと、すぐに玄関に向かった。



「は〜い!」



迷わず玄関を開けたジュリアは、思わず息をのんだ。




「香水をお届けに参りました。お姫様?」




ジュリアは一気に顔を歪め、我慢していた涙を流した。



そこには、ずっと会いたくて会いたくて仕方がなかった人が。




「ごめんね、ジュリア。ただいま。」




そんなジュリアを強くブライアンは抱きしめた。




「ブライアン・・・寂しかったんだから!!」


「うん。僕もだよ。・・・僕も寂しかったよ。」




華奢なジュリアを包み込むようにブライアンは抱きしめ、美しいブロンドに鼻を埋めた。




それからジュリアの家に上がり、二人は寄り添いながら一息ついた。



すると、ブライアンは思い出したように口を開いた。



「そうだ、コレ。」


「なに?」


「寂しい思いをさせたお詫びに、可愛い姫に買ってきたよ?」


「・・・香水?」


「うーん・・・ちょっと違う。」



受け取った長方形の箱。



開けてみると・・・




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