恋する魔女
─────────────・・・



「・・・・ぅ・・・・・・・」


「あ、ブライアン。目が覚めたのね。」



目を覚ましたブライアンは視界をめぐらせ、声のする方を見てみると




「ジュリア。」



愛しい彼女がホッとしたような笑顔で自分を見ていた。



あれからすぐ帰ってきたジュリアは、すぐに着替えてずっとベッドの傍にいた。



「心配したよ。突然倒れてくるから・・・。」


「あぁ・・・」



思い出したように返事をする。



「僕・・・熱だしたんだ。」



ブライアンの額から濡れタオルを取り、器に入った冷たい水につける。



「ごめんね。寒いのに、君の手を冷たい水につけてしまって・・・」


「ブライアン・・・クスッ 人の心配をするよりも自分の心配してよね。」



そう言うと、タオルを額に乗せ、頬にキスをした。




「はぁ・・・格好がつかないな。その上君の部屋で世話になるなんて。」



“情けない・・・”そう弱々しく呟いた。



「そんなことないわ。あたしはとっても喜んでるのに。」


「え?」



眉をひそめる彼にお構い無く言い放った。




「大好きな王子様をまた一晩中独り占めできるんだもの。」





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