恋する魔女
あなたとの幸せを、手放したくない。


こんなにあたしを大切にしてくれて

愛を毎日感じられる日々を失いたくないの。


あなたの愛を疑ってるわけじゃないわ。

だけど、不安に思わずにはいられないの。


あなたとあたしは違う。


あたしは魔女で

あなたは人間


どうしても越えられない壁がある。


その壁を知ったら、いくらあなたでも、動揺するわ。


そして怖くなるはずよ。



だって魔女なんて人間からしたら未知の生きものでしょう?


いくらあたしを愛してくれてるあなたでも、それを知ったら他の人間の女の子を探すと言うかもしれない。



そんなこと聞きたくない!!



あたしだって、あなたが思ってる以上に、あなたのことを愛してるわ。


あなたもそう言ったけど、条件が違う。



あたしは全てわかって愛してる。

でもあなたは、あたしが人間だと思ってるから、愛してると言っているだけ。


あたしが魔女だと知ってもあたしを愛してくれる保証はどこにもないわ。





・・・・・違うの。

一番怖いのは、あたしが自分が傷つくこと。

あなたの愛を疑いたくないけど、疑ってしまう。

だってその方が、後で楽だから。


でもそんな女・・・恋人としては最低だわ。





その晩、ジュリアは一人泣いたのだった。




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