恋する魔女
「・・・・これでいいの?」


「あぁ。あたしはね。」



爪の手入れをしながら寛ぐ自分の母を見て、ジュリアは疲れた顔をした。




実は、紹介することを決心したジュリアは、母にブライアンと会ってほしいとお願いに来ていたのだ。


ところが・・・



《死んでも会いたくないよ。》


《え、何で?》


《何であたしが、人間に会わなくちゃいけないんだ。お前の恋人だからって関係ないよ。》


《そんなぁ・・・》



母のドーラにまったく相手にされなかった。



《それにアンタ、あたしに挨拶させる前に、あたし達が魔女だってことを言うのが先なんじゃないのかい?》


《・・・・・・・・・。》


《はっ!?お前まさか・・・ずっと黙っているつもりかい?》


《・・・・・・・。》



ジュリアが黙ると、ドーラは大きなため息を吐いた。



《あたしにも人間のふりをすれってのが、お前の本当の願いだね?・・・・無理だよ。》



そう。


ドーラが言うように、ジュリアは結局、ブライアンには魔女だということを隠すことにしたのだ。





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