ツバサ
今の時刻は深夜2時

タケルは、約束通り、夜中に帰ってきた。

私は、タケルの家でタケルの好物の一つでもあるハンバーグを作った。

タケルは、子供のような顔をして「うわぁ〜。ハンバーグだ。」といつものように美味しそうに食べてくれた。

私は、そんなタケルに勇気を出してあることを切り出した。

「ねぇ……、タケル。」

「うん?」

「私と別れてほしいの。というか、別れて下さい。」

時計の時を刻む音が聞こえる

それくらい静かだった。

「なんで?」

「もう疲れたの。」

違う。
疲れなんて健の顔を見れば忘れてられた。
「俺嫌だ……。別れたりなんかしない。」

「もう、無理なの。」

なんで止めるの私なんて、お荷物出しかないじゃない。
「タケルは、空を飛べる翼を持ってるでも……私は持ってない……。」

「そんなことない、俺だって朱里がいないと飛べないよ!」

やめてよ……。泣かないでよ。

「とにかく、私はもう、タケルのこと好きじゃないから!これ返すね。」

私はタケルの部屋の合鍵をテーブルにおいて、部屋を出た。

タケルの「朱里!」と私の名前を呼ぶ声に背を向けて

私のした選択は

タケルに妊娠を伝えず別れること。

この子をおろして何事も無かったように、タケルと一緒にいることなんて出来ないかったから。

後悔なんて絶対しない。

この子を守るって決めたんだ。

この子と二人で生きていくと私は決意した。






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