Cold Phantom [後編]
だけど、夢の中とは言え私は否定された。

私は姫納祥子では無いと…

(人でなしの名前…あれから凄い時間…)

あの子は、私の事を知っているようだった。

見た目から判断するに小学校中学年くらいだろうか。
幼く見積もっても9歳が妥当だとして、物心のつく4・5歳の少年に会っていたとすれば凄い時間と言っても5年が限度だろう。

「5年前?」

5年前と言えば、私が目覚めた時期だ。

ヒステリックをよく起こしていたあの頃、みーちゃんや病院関係者以外の付き合いは殆ど皆無だった。

勿論夢にも出てくるほど、あの少年に思い入れがある訳ではない。

< 100 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop