Cold Phantom [後編]
※※
私がヒロ君の家に泊まり始めて一週間が過ぎた頃、夏休みが始まり学校ももぬけの殻さながらの静けさを持ち、響いているのは吹奏楽部の楽器の音色と体育会系の部活の威勢のいい声だけだった。
そんなある日の事だ。
いつものように早い部活の時間、ブリーフィングが始まる10分前の事だった。
「みーちゃん先輩、姫納先輩!」
元気の良い女の子の声が廊下を響かせていた。
声のした方を振り向くと犬塚さんが手を降りながら走ってきた。
「舞ちゃん、みーちゃん先輩はやめてって言ってるでしょ。」
「あ、そうでしたね。つい癖で…」
みーちゃんのその忠告に犬塚さんは苦笑いしながら頭をかいた。
最近私たちの間に入るようになってからは、私の「みーちゃん」と言う言い方が何故か定着してしまったようで、気を抜くと「みーちゃん先輩」と言ってしまい、みーちゃんも気になるのかよく訂正しているようだ。
そんなやりとりを見ながら私は犬塚さんに話しかけた。
「それで、どうしたの犬塚さん?」
私がヒロ君の家に泊まり始めて一週間が過ぎた頃、夏休みが始まり学校ももぬけの殻さながらの静けさを持ち、響いているのは吹奏楽部の楽器の音色と体育会系の部活の威勢のいい声だけだった。
そんなある日の事だ。
いつものように早い部活の時間、ブリーフィングが始まる10分前の事だった。
「みーちゃん先輩、姫納先輩!」
元気の良い女の子の声が廊下を響かせていた。
声のした方を振り向くと犬塚さんが手を降りながら走ってきた。
「舞ちゃん、みーちゃん先輩はやめてって言ってるでしょ。」
「あ、そうでしたね。つい癖で…」
みーちゃんのその忠告に犬塚さんは苦笑いしながら頭をかいた。
最近私たちの間に入るようになってからは、私の「みーちゃん」と言う言い方が何故か定着してしまったようで、気を抜くと「みーちゃん先輩」と言ってしまい、みーちゃんも気になるのかよく訂正しているようだ。
そんなやりとりを見ながら私は犬塚さんに話しかけた。
「それで、どうしたの犬塚さん?」