Cold Phantom [後編]
びっくりするほど何もない場所だった。
どこを見回しても木ばかりが群生し、今バスが進んでいるアスファルトの道が無ければ人の気配すら感じられなかっただろう。
「昔はこんな道無かったんだよね。」
私はそう言って更に森の奥の方を見つめた。
すると、ちょっと森の奥に人為的な感じの小さく無骨なコンクリートの建物が連なった場所を見つけた。
そこには複数の男性らがいるのが見てとれた。
「私にはもう、生きる資格なんて無いんだよ。」
(そんな事、誰が決めたんですか先輩?)
「えっ?」
ふと懐かしい声がして声のした方を見た。
急に振り向いたせいか、相手側も驚いた様子だった。
「たけ君?」
「び、びっくりしたぁ、どうしたんッスか先輩。急に振り向いて?」
「え、えと、特に意味はないんだ。驚かせてゴメンね…それよりたけ君はどうしてここに?」
たけ君は私達の座る席の隣で立ち止まっていた。
「今先生がお茶配ってるんッスよ。猿と俺で今配ってる途中で、はい、これが姫納先輩と犬塚の分。」
たけ君はそう言って私にペットボトルのお茶を手渡した。
どこを見回しても木ばかりが群生し、今バスが進んでいるアスファルトの道が無ければ人の気配すら感じられなかっただろう。
「昔はこんな道無かったんだよね。」
私はそう言って更に森の奥の方を見つめた。
すると、ちょっと森の奥に人為的な感じの小さく無骨なコンクリートの建物が連なった場所を見つけた。
そこには複数の男性らがいるのが見てとれた。
「私にはもう、生きる資格なんて無いんだよ。」
(そんな事、誰が決めたんですか先輩?)
「えっ?」
ふと懐かしい声がして声のした方を見た。
急に振り向いたせいか、相手側も驚いた様子だった。
「たけ君?」
「び、びっくりしたぁ、どうしたんッスか先輩。急に振り向いて?」
「え、えと、特に意味はないんだ。驚かせてゴメンね…それよりたけ君はどうしてここに?」
たけ君は私達の座る席の隣で立ち止まっていた。
「今先生がお茶配ってるんッスよ。猿と俺で今配ってる途中で、はい、これが姫納先輩と犬塚の分。」
たけ君はそう言って私にペットボトルのお茶を手渡した。