Cold Phantom [後編]

合宿所での練習は色々と新鮮な事であふれていた。

環境が違うのもあるが、それ以上に部活内で同じ屋根の下で練習したり寝食を共にしたりする事がとても新鮮だった。

合宿所の消灯が１０時と言う事もあって全ての練習は８時半には終わった。

それから遅い夕飯を食堂で食べ、その後に風呂に入り消灯する流れになる。

「先生、お茶持ってきました。」

「おう、ありがとな。」

そんな言葉が飛び交う食堂でみんな和気あいあいとしながら夕飯を味わっていた。

「それにしても、一時は高校最後の合宿はどうなるかと思ってたけど、違う合宿所に来る事になるなんて思いにもよらなかったな。」

そう和樹先輩は言うと三年の先輩達は頷いた。

「そうね、それに今までの合宿所よりもここの方が私は好きだわ。前の合宿所も嫌いじゃないけど、二段ベッドで部屋が狭くなってて何だか少年院に入れられてた雰囲気があって、そこが嫌だったわ。」

「沙冬美もそう感じてたんだ。私もさぁ、ここが敷布団って聞いてちょっと嬉しかったんだよね。」