Cold Phantom [後編]
大きな道を5・6分程歩いた所にコンクリートで出来た小さな階段が現れた。
正直昼頃に来ていても気に止めずに通り過ぎてしまいそうなほど目立たない階段で、埋もれてしまう程の落ち葉にその薄い存在感に拍車をかけていた。
「良く解るなこんな所…どうやって見つけたんだ?」
不思議そうに犬塚に問う和樹先輩に犬塚は…
「調べはばっちりですからね。」
と返した。
そして、そのコンクリートの階段をゆっくり上り始めた。
階段は山奥の更に奥に誘うかのように続き、月明かりも流石にここまでは照らしきれないのか懐中電灯が無ければ間違いなく仲間内からはぐれる可能性があっただろう。
それほどまでに暗い道だった。
その状況が余程怖いのか、俺の右腕を掴む腕が力を入れてきた。
「先輩?」
「ごめん、怖いよ…」
祥子先輩は更に腕に力を入れた。
必死に俺の右腕に顔を埋めて震えていた。
先程よりも更に震え上がる先輩の姿に俺はふと、ある事を思い出す。
先輩は病院の側にある林の雰囲気を見て発狂した事がある事を…
俺はすかさず安心させるように背中に手を回し、先輩の頭をゆっくり撫でた。
正直昼頃に来ていても気に止めずに通り過ぎてしまいそうなほど目立たない階段で、埋もれてしまう程の落ち葉にその薄い存在感に拍車をかけていた。
「良く解るなこんな所…どうやって見つけたんだ?」
不思議そうに犬塚に問う和樹先輩に犬塚は…
「調べはばっちりですからね。」
と返した。
そして、そのコンクリートの階段をゆっくり上り始めた。
階段は山奥の更に奥に誘うかのように続き、月明かりも流石にここまでは照らしきれないのか懐中電灯が無ければ間違いなく仲間内からはぐれる可能性があっただろう。
それほどまでに暗い道だった。
その状況が余程怖いのか、俺の右腕を掴む腕が力を入れてきた。
「先輩?」
「ごめん、怖いよ…」
祥子先輩は更に腕に力を入れた。
必死に俺の右腕に顔を埋めて震えていた。
先程よりも更に震え上がる先輩の姿に俺はふと、ある事を思い出す。
先輩は病院の側にある林の雰囲気を見て発狂した事がある事を…
俺はすかさず安心させるように背中に手を回し、先輩の頭をゆっくり撫でた。