Cold Phantom [後編]
「えっ?」
ふと、何かのわだかまりから解放されたかのように体が軽くなった。
私は今自分が言った言葉に驚いていた。
ただいま。
普段誰もいないと解っている部屋には不釣り合いなセリフを私は言っていた。
回らない頭で不意に出た言葉に、違和感を感じざるを得なかった。
だが、それくらいならまだマシだった。
私は目前の風景にただ絶句した。
少しの間をおいてようやく一言絞り出すように声を出した。
「ない…。」
そう言って私は部屋に入った。
無かった、何もかも…。
部屋の真ん中にあるはずの木で出来た小さな四角い台も、普段からあまり使う機会が無いのに場所だけは好き放題取っていたデスクトップのパソコンも、みーちゃんから貰った控えめなチャイムの目覚まし時計も…
「!?」
その時、私は自分の考えている事に再び驚いた。
「違う…。」
私はそう言ったようだ。
自分で何を言っているのかすら自覚が持てなくなっていた。
ふと、何かのわだかまりから解放されたかのように体が軽くなった。
私は今自分が言った言葉に驚いていた。
ただいま。
普段誰もいないと解っている部屋には不釣り合いなセリフを私は言っていた。
回らない頭で不意に出た言葉に、違和感を感じざるを得なかった。
だが、それくらいならまだマシだった。
私は目前の風景にただ絶句した。
少しの間をおいてようやく一言絞り出すように声を出した。
「ない…。」
そう言って私は部屋に入った。
無かった、何もかも…。
部屋の真ん中にあるはずの木で出来た小さな四角い台も、普段からあまり使う機会が無いのに場所だけは好き放題取っていたデスクトップのパソコンも、みーちゃんから貰った控えめなチャイムの目覚まし時計も…
「!?」
その時、私は自分の考えている事に再び驚いた。
「違う…。」
私はそう言ったようだ。
自分で何を言っているのかすら自覚が持てなくなっていた。