Cold Phantom [後編]
私が私で無くなるような、私から「私」が抜け出ていくかのような浮遊感の中、私の狂い出した思考の訴えをそのまま口にしているかの様に私は叫び始めた。

「違う、そんな物最初っから無い。無いの!?」

私は頭を押さえてうずくまった。

頭が痛い。

まるで鉄パイプで頭をかち割られているかのようなとてつもない痛さだった。

「なんで?どうして私の知らない物を私が知ってるの?」

私はとにかく叫んだ。

「どう…して…」

少しずつ、視界が白くぼやけ始めた。

何もない部屋が白に埋め尽くされていく。

意識が薄れていった。

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