Cold Phantom [後編]
-せ…い-

誰かが私に何か言っていた。

-せんぱ…!し…かり!-

今にも消え入りそうな意識の中で、その「誰か」が白の世界に影を見せた。

「誰?君は誰なの?」
消え入りそうな小さな声で私は訴えた。

そこにいたのは…見た限りまだ小学生程の幼い男の子だった。

見たことの無い、でも誰かによく似た男の子。

意識がふっと消える間際、男の子は一言だけ私に言った。










-ねーちゃん…-






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