Cold Phantom [後編]
だが、そんな状態の俺とは裏腹に…

「祥子ちゃんが!?解りました。すぐに伺います。場所はどちらですか?」

相手側の方はすぐに解ったようだ。

流石に相手側が先輩の異変に驚くだけあり、アパートの住所を言うとちゃんと先輩の家だと気がついたようだ。

この分だと言葉通り早く着きそうだ。

俺は携帯をしまうと、玄関近くで横にした先輩を見た。

苦しそうな表情をしながらその額には多量の汗が見えた。

俺は持ち歩いていたハンドタオルでその汗を拭き取っていった。

その時だった。

「祥子ちゃん!?」

後ろから声がして振り向くと、階段を上がってきたマリアさんがこちらを見て血相を変えた。

「マリアさん…」

「ど、どうしたの!?…じゃなかった。は、早く病院に電話しなくちゃ!」

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