Cold Phantom [後編]
するとその時、誰かが息を切らせながらこちらに近付いてくる人がいた。

俺はそれが誰なのかすぐに解った。

槍倉北高の女子制服、普通の女の子よりは少し身長が高いその影はは良く目にしている人の姿と全く一緒だ。

「はぁはぁ…ヒロ、マリアさん。祥子は?」

「大丈夫ッスよ美咲先輩、今はぐっすり寝てるッス。」

「そ、そっか。良かった。」

息を切らせてやって来たのは予想通りみーちゃん先輩だった。

俺がマスターに連絡したのがきっかけで仕事中も気が気じゃ無かったようで、早い時間にこのアパートにやって来たようだ。

早退したようで、今も定時すら越えてない。

「美咲ちゃん来ちゃったかぁ…来そうな気はしてたけど。」

マリアさんはそう言いながら面倒そうな表情を見せた。

「何か私が来て不都合な事あった?」

「うん。申し訳ないけどね。」

マリアさんはそう言って、今俺に話していた事を先輩に話した。
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