Cold Phantom [後編]
「ヒロならもう気がついてるんじゃないかな。最近の祥子、ぼーっとしてる事が多くてさ。」

「ぼーっとッスか?そりゃ人間だからぼーっとするくらい…。」

「度を越してるのよ。」

先輩はそう言って俺の言葉を制した。

先輩のその反応にただ事と思えない物を感じた。

「最近の祥子、変なことを言うようになったなって思わない?」

「変なこと、うーん…」

俺はここ最近の出来事を振り返ってみた。

確かにこの二週間ほどは先輩と一緒にいる事が多くなった。

なんと言う事も無いような話ですら記憶に残っている。

その中で…

「そう言えば…」

俺はふとある言葉を思い出した。

それは学校の帰り道だった。

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