Cold Phantom [後編]
「遠慮するなぁっ!」

とうとう怒りが頂点に達したみーちゃんは、先に逃げた湯川君を怒鳴り散らしながら追いかけた。

それも相変わらずな風景だなと、小さくなっていく二人を見ていた。

「アホだな…。」

私と同じ様に二人を見ていた気姿月君は、そう小さく呟いた。

その言葉に紗冬美ちゃんも「まったくだわ。」と続いた。

本当にいつも通りだ。

そんないつも通りの風景に私は安堵する。

そして、それに安堵している自分に最近不安になっていた。

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