Cold Phantom [後編]
「祥子、部屋決まった?」

一時限目が終わり、休み時間に入って間もなく、みーちゃんがそう言って私の机の前に立った。

今までも何度か同じ質問をしてきたが、私の返答がいつも通りだからなのか、いつもと声のトーンが変わらない。

そして、その変わらないトーンに比例するようにわたしもいつも通りの答えを返す。

「まだ決まってないよ。」
と…

「やっぱり…そろそろヤバいんじゃないの?」

「まったく無いって事はないよ。」

私がそう言うと、意外そうな表情でみーちゃんが私を見た。

「あれ、あるんだ…。」

「正直、最悪のパターンなんだけどね。」

「最悪のパターン?」

みーちゃんが不思議そうな表情でそう問うと私はその「最悪のパターン」を口にした。
< 68 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop