Cold Phantom [後編]
「マリアさんの実家なんだけどね。」

「マリアさんの実家?何か不都合な事でもあるの?」

「遠くの田舎町なんだよ。ここからじゃ電車でも一時間は軽く過ぎちゃうくらい遠い所だから登校が凄く不便だになるからね、お金もかかるし…」

「うわっ…私なら身悶え物だなぁ。」

そう言って想像したのか、みーちゃんの表情が少し険しくなった。

その気持ちは解らなくもないが…

「でも、今となっては現実味を帯びてきてるから凄く困ってるんだ。」

私がそう言うと、みーちゃんは思いだすかの様に途端に表情に影を落とした。

…実はみーちゃんの表情についてはここまでいつも通りだった。

勿論、マリアさんの実家の事については初めてだ。

何せ、それを聞かされたのは昨日の事だからだ。

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