Cold Phantom [後編]
いつも通りのみーちゃんの表情…でも今日はそれに加えて焦りの様なものを感じていた。

私が遠い田舎町にいってしまう事を知ったからだろうか。

いつもと違うのは、それからだった。

「あ、あのね…祥子。」

恐る恐ると言う感じでみーちゃんは口を開いた。

普段の元気の良いみーちゃんには珍しい事だった。

「どうしたのみーちゃん?」

私はみーちゃんのその態度を見ながら、静かにみーちゃんの言葉を待った。

みーちゃんは少し間を開けて、何かを決心したかの様に私に言った。

「実は、私一つだけ良い部屋を知ってるんだ。」

「えっ?」

私はみーちゃんの一言に驚いた。

困り果てていた私には願ってもない一言だ。

でも当然…

「どうしてそんな大切な事を早く言ってくれなかったの?」

そう質問するのも当然だった。

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