Cold Phantom [後編]
「い、いきなりだね。」

ヒロ君の思わぬ一言に少し照れてしまった。

ヒロ君はその私の様子を見ながら口を開いた。

「今の一言は寂しがり屋の証ッスよ。」

そう言ってヒロ君は笑顔を向けたまま話を続けた。

「先輩、俺達は恋人同士ッスよね。」

「うん。」

「それなら、遠慮なんていらないってそう思わないッスか?」

「えっ?」

私はその一言にドキッとさせられた。

何となく心中を悟られたような、そんな心臓の高鳴りを感じた。

「そりゃ、こんな話をいきなりされて困惑するのは良くわかるけど、先輩は今困ってるんだって思ったら、やっぱりなにもしないなんて出来なかったッスよ。」

「…」

私はヒロ君のその言葉にヒロ君らしさを感じた。

「本当に良いの?お父さんはOKしてくれたの?」

「親父はちょっと前から長期出張で二ヶ月ほどこの家を出てるんで先輩を一ヶ月泊める位なら何とかなるッスよ。」

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