Cold Phantom [後編]
夜道の闇にヒロ君の姿が消えるまで私は見送った。


バタン…

その時私の背中、多分アパートのドアが閉まった時の音がして私は振り向いた。

何となく気になった。と言うのも今のタイミングで扉が閉まるのはちょっと変だったからだ。

私達がここに着いた時、一緒に帰って来ていた人はいなかったし、外出しようする人もいなかった。

「…気のせいかな?」

静かなアパート前で私は立ち尽くした。

こんな時一番に気になるのは、そうあの部屋だ。

でも…なんだかんだとあそこは空き部屋だ。扉の音がする方がおかしい。

それに調べるだけの勇気も無かった。

この前の事を考えると当然と言えば当然だ。

「とりあえず、寝よう。」

私は微かに襲いかかる睡魔に逆らってまで調べようとはしなかった。

夏休みも近いとは言え明日も学校だ。

出来れば早めに寝ておこうと私は思った。

何も考えずに私は家に着くなりパジャマに着替えてベッドについた。

時計を見ると既に12時5分前になっていた。

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