Cold Phantom [後編]
※※※※

あの子はいつも私に言っていた。

いつか必ず私を助けると…

壁越しに、誰にも聞こえないその「声」で…

初めはただ、会ってみたいって言っていただけなのに…

-今日も殴られちゃったよ。-

そう言いながらも笑う声。

-ごめん、今日は話したくない気分なんだ。-

そう言って啜り泣く声。

-必ず、助けてやるからなっ!-

そう言う…心強い声。

でも結局…結局は…

助けられなかったね。

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